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寒中お見舞い申し上げます。

先週金曜日1月7日の朝日新聞天声人語を読んで
この字が、書きたくなりました。


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photo by hirotons & Calligraphy by saiyu







天声人語:
朝刊を取りに出たら、夜明け前の路上でウオーキングの人同士が挨拶(あいさつ)を交わしていた。寒の入りは冷え込み、「おはようございます」が白い息になって吐き出される。息という字が、自分の「自」と「心」を組みあわせた形なのにふと気づく▼この季節には岡本眸(ひとみ)さんの一句を思い出す。〈温めるも冷ますも息や日々の冬〉。思えば息とは重宝なもので、かじかむ指を温められるし、熱い雑炊を冷ますこともできる。生きることのささやかな幸せを感じさせる名句である▼寒い季節ほど、人は「幸せ」への感度をふくらませるように思う。その幸福感は、収入が多いほど大きいものでもないらしい。米国で調査をしたら、日々の幸せを感じる度合いは年収7万5千ドル(620万円)ほどで頭打ちになるとの結果が出たという▼プリンストン大のカーネマン名誉教授らが45万人を電話調査した。ノーベル経済学賞の受賞者である教授は「高い年収で満足は買えるが、幸せは買えない」と結論づけたそうだ。幸せ者とは、小さな喜びを十分に味わえる人、ということになろうか▼その達人のひとりが、きのうが180年の命日だった越後の和尚、良寛さんだろう。〈この里に手毬(てまり)つきつつ子供らと遊ぶ春日は暮れずともよし〉。「清福」という語に袈裟(けさ)を着せたような人物像は、いまも慕う人が後を絶たない▼騒々しかったり、急(せ)かされたり、そして疲れた時代ほど、良寛ファンは増えるとされる。今年の良寛人気はどうなろう。日々の幸せを見いだす達人に、一度教えを請うてみたいが。
by penpami | 2011-01-10 22:24 | 徒然なるままに
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